【その3】第15回新宿シティハーフマラソン レースレポート
新宿シティハーフマラソンのレースレポート3回目(完結編)です。
前回の記事はこちら↓
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レースは2周目へ。
このレースは、それぞれ距離の違う周回を3回まわる変則周回コース。
1周目が約4キロ、2週目が約11キロ、3周目が約6キロで、同じ場所を何度か通るものの通過する間隔は一定ではないので、距離感がつかみにくい何ともイヤなコースです。
2周目は、長くゆるいアップダウンが断続的に続き、立体交差のための急な坂や折り返しも加わって、思いっきりペースを乱されます。
しかし登りは割と得意な方だと自負しているぼく。
こんな坂ごときには負けんぞ。
登りではギアを落として低重心で、平地に戻ったら重心を戻して素早くもとのスピードに乗せる。うまく切り替えて坂をこなしていきます。
それでもやはり坂のダメージはあり、坂を一つ登り切るたびに確実に残りHPが減っていくのを感じていました。
6Kmから15Kmまでのラップ。
4:24 / 4:36 / 4:18 / 4:26 / 4:24
4:12 / 4:19 / 4:22 / 4:21 / 4:17
長丁場の2周目を終えて、残るは3周目の6kmのみ。
3周目は中盤にトンネルがあり、それをくぐると18キロ地点らしい。
そこからがきっと最後の勝負。
ところでトンネルってどこのトンネルだろうと思っていたら、いつも30キロ走で皇居から新宿に向かって走るときに横目に見ていたあの見慣れたトンネルでした。
坂を下ってトンネルに入ると急に周りが静かになりランナーの足音だけが響く。いつもは集中力が高まって心地良いこの感じもこの日は何か重苦しかった。
トンネルを抜けたらあと3キロ。早くトンネル終わってくれ。
。。。全然終わらない。
ていうか出口すら見えないぞ。このトンネル一体何キロあるんだ。(実際は1キロ程度)
ようやく出口が見えてきたと思ったら、その前に立ちはだかる急坂。
入るときにあれだけ下ったんだからそりゃ当然出口では登るわな。
あー。あの坂登りきったら脚止まる気がする。
予想通り、坂を上ってトンネルの外へ出た途端に脚がぱったりと動かなくなりました。
周回の区切りだったり、坂の頂上だったり、ゴールでも無いのに心理的に何かしらの区切りを付けてしまうと、そこで集中力や精神力が途切れてしまうことってあると思います。
いつぞやのランスマで言っていた「精神的フィニッシュ」ってやつか。
ここからは本当にキツかった。
顎が上がって上体は棒立ち。
脚が前に出なくなり、膝から下の力でむりやりピッチを上げてペースを稼ぐ。
あー、ひどい走りだな。
まあでもあと3キロならこのまま惰性で何とか乗り切れるか。
結構貯金もありそうだし、5秒や10秒ラップが落ちても間に合うだろ。
そんな考えが頭をよぎったた時、後から小柄な女性ランナーがすっと前に出てきました。
ここまで18キロ走ってきたとは思えない恐ろしくきれいで安定したフォーム。
突如その背中からこんな声が聞こえました。
(妄想:ここから)
あら、オジさん。ずいぶん無様な走りね。
そんなことで最後まで持つのかしら。
私はお先に失礼しますけど、せいぜい頑張ってね。
(妄想:ここまで)
はっ!
ぼくは一体何をしているんだ。
最後までしっかり走るんだ。
下手な走りで味わった苦しみは身にならない。しっかり体を使った苦しみだけが次につながるんだ!
もう一度腹に重心を戻し、お尻で地面を蹴る感じを取り返す。
それでもつらいものはつらい。
しかしこれが正しいつらさだ。
やがてその女性ランナーは視界から消えて行きましたが、彼女にもらったイメージは確実にぼくの走りに力を取り戻してくれた。
本当にありがとう。
最後の登りは脚にこたえましたが、そのまま崩れず神宮球場に入ってフィニッシュ。
スタートで計測しそこねた分の10秒ほど待ってから時計を止め、ここで初めてトータルタイムを見ました。
1:33:01
目標を2分上回っての、自己ベスト更新です。
よかった!
ぼくの脚よ、さいごまでよく持ってくれた!
16KmからFinishまでのラップ
4:19 / 4:22 / 4:28 / 4:25 / 4:27 / 4:14 / 0:36 (130m)
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レース後は再び仲間たちと合流し、話題の須賀神社にお参りしてから昼食を食べて帰宅しました。
いつもの事ながら、レースを終えてラップタイムを振り返ると、なぜこんなペースで走りきれたのかと信じられないのですが、今回は2ヶ月ほど前から続けてきたスピード練習が結果として現れたことが本当にうれしいです。
最近では、ハーフマラソンは年に1回しか走らなくなって来ていますが、ハーフにはフルとは違った面白さがありますね。
そしてレースはやっぱり楽しい!
何か思ったより長くなってしまいましたが、駄文にお付き合いいただきありがとうございました。